おっさんの映画鑑賞記録『君の膵臓をたべたい』

 


この映画が話題になっていたことは知っていながら、こういった青春恋愛映画を観に行くことはおっさんにとってはかなり高いハードルである。
ちょうど妻からの誘いもあり、それを口実に晴れて鑑賞。

 

青春恋愛映画だろうということ以外はほぼ前情報ゼロで観たが、『世界の中心で愛を叫ぶ』以来のこのタイプの内容に久々に感動した。

正直、内容的には『世界の〜』の方がやや現実味を帯びていて、観た時期もまだ若かったこともありストレートに感動できたと思う。

ヒロインの女の子は膵臓の病で亡くなってしまうのだろうと思わせてからの「えっ!?そうなるの?」という展開が自分の中では非現実的に映ったのだが、妻から言わせると「物語の序盤のいくつかの伏線を回収するような良い展開」と高い評価だった。

映画を観た話をしているといつも感じるが、やはり男性目線と女性目線、若者の目線と中高年の目線、そして、それに捉われない、人それぞれの目線があって、人それぞれの受け取り方や感じ方があることを感じる。作り手のメッセージがそのまま伝わることはもちろん、作り手の意図することとは違った、その人オリジナルな受け取り方になることもまた作り手が作品作りにやりがいを感じる部分なんだろうと思う。
この映画の醍醐味はなんと言っても主人公の女の子の雰囲気の良さと演技力である。
完全おっさん目線の感想のようだが、実はこの部分はこの作品を観たすべての人に共通する感想ではないかと思うほど印象的だった。このことが観ている人に感情移入させやすくし、感動を生むのだろう。
自分の高校時代なんて遠い昔であまり思い出せないが、そんな自分にもなんとなく青春時代の感覚を思い出させてくれた良い映画だった。

 

世のおっさん方、ぜひ青春恋愛映画を観て少しだけ青春時代を思い出し、熟練された技の中に若さや勢いを再びトッピングしようではないか!